国土・地域政策の応用厚生分析

国土・地域政策は,国土空間上に『合理的』に資源を配分することを究極の目的としています.社会にとって望ましい国土・地域政策の立案や実施の基礎となる理論的枠組みを構築することが本研究の目的であります.

国土・地域政策は私たちの生活に大きな影響を及ぼすことは間違いありませんが,その影響をどのように評価するかは,人によって意見が分かれます.国土・地域政策を立案したり実施していくには,『いかなる国土・地域政策が社会にとって望ましいといえるのか?』,『いかなる国土・地域政策であれば人々からの支持を得られるのか?』といった疑問に対する回答を探求していく必要があります.

以上の問題意識の下,これまでに過去の公共投資の地域間配分政策が,1) 効率性と公平性のトレードオフ関係によっていかなる影響を受けてきたか,2) 政治制度によっていかなる影響を受けてきたか,といった分析を行ってきました.また,合理的な国土・地域政策の立案と実施を担保するために必要とされる国土計画制度のあり方についても経済学の理論的枠組みを参考としながら議論を行なってまいりました.

関連論文

  • 福本潤也:国土計画の制度設計に関する研究,土木計画学研究・論文集,Vol.22,pp.247-255,2005.
  • 福本潤也:人口減少化時代における国土計画の役割,土木学会論文集,No.772/Ⅳ-65,pp.53-66,2004.
  • Fukumoto, J.and Kojima, M.:Equity issues in transport infrastructure project: The Comparison of PoliticalEquilibriumandQuasi-Optimal Interregional Allocation Policy, World TransportResearch:Selectedproceedings from the 9th WCTR, 2003.
  • 福本潤也・濱洲大輔:公共投資の地域間配分政策の事後分析,応用地域学研究,第5号,pp.161-172,2000.
  • Fukumoto, J.,Hamasu, D. and Shimizu, E.:Post-Evaluationof the Impact of Infrastructure Improvement on Regional Welfare Disparity: Japanese Experience after World War II, Journal of the Eastern Asia Society forTransportation Studies,1999,Vol.3,pp.261-276, 1999.